由樹 岩村
(東大宇宙線研)
30/10/2016, 09:40
銀河系内のガンマ線源には超新星残骸等〜1°以上の広がりをもつ天体が存在し、これらは超高エネルギーガンマ線天文学において特に宇宙線起源等の物理を研究する上でも重要な観測対象となる。しかし解像型大気チェレンコフ望遠鏡では視野角と同程度以上に広がった天体を検出することは困難である。この状況を打開するためにMAGIC望遠鏡において新たに開発中の観測・解析手法について発表する。
渉 石崎
(東大宇宙線研)
30/10/2016, 10:20
パルサー星雲とは、回転駆動型パルサーの周囲に広がって存在する天体である。電波からガンマ線までのあらゆる波長帯で放射をしており、その放射スペクトルは非熱的な電子・陽電子からの放射を示唆している。パルサー星雲は空間的に広がった天体であるため、その放射の空間構造を観測事実と照らし合わせながらモデル化することは、高エネルギー電子・陽電子の伝播過程に迫ることにつながる。本講演では、現在のパルサー星雲の1次元放射モデルについてその問題点を洗い出し、より妥当な粒子輸送過程は何か議論することを目指す。
美沙希 森下
(名古屋大学)
30/10/2016, 11:20
GRAINE実験では高い空間分解能を持つ原子核乾板(エマルションチェンバー)を気球に搭載し、ガンマ線天体の精密観測を目指している。
2015年5月、豪州にて14時間の気球フライトを実施、飛跡データの取得に成功した。
チェンバーを構成する原子核乾板には、通過した全ての荷電粒子が記録されおり、
自動飛跡読取装置を用いる事で宇宙線反応のミニマムバイアスな解析が実現出来る。本講演では、検出器内で起きたハドロン反応を系統的に選び出す手法の開発の現状と、その手法によって選び出されたハドロン反応の解析について報告する。
紗矢 山本
(岡山理科大学)
30/10/2016, 11:40
GRAINE実験は,1μm以下の空間分解能を持つ飛跡検出器であるエマルションフィルムを気球フライトすることで,10MeV~100GeV領域のγ線を高詳細に観測することを目的としている.エマルション望遠鏡全体のテストフライトとして,2015年5月豪州で気球フライトを行った.エマルションに生成された飛跡データを取得し,現在解析を行っている.本講演では,空気シャワー等に起因するような広がった平行な粒子群が,検出器中のコンバーター中で捉えられているか探索を行ったので,その結果について報告する.
友耶 牧野
(名古屋大学)
30/10/2016, 14:50
LHCf実験では、LHCにおいてハドロン散乱で超前方に生成される粒子測定から、ハドロン相互作用モデルの検証を行なってきた。散乱角の小さい超前方測定と、その領域での相互作用モデルの検証は、空気シャワー発達の理解という観点から非常に重要である。本講演ではLHCf実験の紹介とともに、重心系900GeV-13TeVの測定結果について報告する。
佑一 北岡
(大阪市立大学)
30/10/2016, 16:00
現在大阪市立大学重力波実験物理学研究室ではC307干渉計と名付けたマイケルソン干渉計があり、6月からの実験でミラーのロックと簡単なインジェクション信号を入れてそれをスペクトル上で見ることに成功した。
そしてもしKAGRA稼働時にGW160914が到来した場合、どのような信号が得られてその結果非ガウス性などがどう変化するかを考察する。
悠一朗 朝倉
(名古屋大学)
30/10/2016, 16:20
2015年9月、2台のadvanced LIGOが稼働するO1(2015年9月~2016年1月)が始まり、初の重力波直接検出を果たした。重力波の検出に際して、MOA(Microlensing Observation Astrophysics)グループではニュージーランドMt. John天文台にある口径1.8m, 視野2.2平方度の広視野MOA-II望遠鏡及び口径60cm,...
雅浩 吉本
(名古屋大学)
30/10/2016, 17:10
NEWS実験は原子核乾板を用いた暗黒物質方向探索実験である。WIMPにより反跳した原子核の飛跡を検出可能な微粒子原子核乾板 NITを開発し実験の実現可能性を確認した。今回、NEWS実験の概要とその開発課題について報告する。
智法 池田
(神戸大学)
30/10/2016, 17:30
NEAWGEでは3次元ガス検出器μTPCを用いて方向に感度を持った暗黒物質探索を行なっている。神岡でのデータ取得が続いている中、検出器に含まれるBG除去の研究も進んできた。本発表ではNEWAGE実験の解析最新結果とBG除去に関する研究について報告する。
駿介 櫻井
(東大宇宙線研)
31/10/2016, 11:30
大気チェレンコフ望遠鏡は超高エネルギーガンマ線の地上観測に有効な観測機器である。大気チェレンコフ望遠鏡は、天体起源のガンマ線に由来するチェレンコフ光を観測するため、夜空における星の光が観測におけるバックグラウンドとなる。更に、光子が望遠鏡の焦点面検出器に入射し、増幅される際にも偽信号を生み出す可能性があり、これをアフターパルスと呼ぶ。本講演では、大気チェレンコフ望遠鏡のバックグラウンドについて説明した後、焦点面検出器を構成する光電子増倍管に対して、アフターパルスの性質測定を行う意義を述べる。