Speaker
佑樹 中野
(神戸大学)
Description
スーパーカミオカンデ(SK)は50 ktonの水チェレンコフ型検出器で、陽子崩壊探索や太陽・大気ニュートリノ観測、加速器実験(T2K)などを行っている。1998年にスーパーカミオカンデ実験によって大気ニュートリノ振動が発見され、この業績は2015年の梶田氏のノーベル物理学賞の受賞に代表されるように世界的に評価されている。その後、2001年にスーパーカミオカンデ実験の8B太陽ニュートリノ観測結果とカナダのSNO実験の観測結果を比較することにより、太陽ニュートリノ振動の発見がなされた。SKは2008年9月以降、新エレクトロニクスを導入し、現在はSK-IVというphaseで観測を継続している。本講演では、太陽ニュートリノ観測に話題を絞り、SK-IVの約2365日分の最新結果、及び、SK-I-IVの約5200日の結果を報告する。特に、SKを用いた太陽ニュートリノ観測における、(1)太陽中心でのMSW効果によるエネルギースペクトラムの歪みの観測、(2)地球の物質効果による太陽ニュートリノフラックスの昼夜変動の観測、(3)太陽活動と太陽ニュートリノフラックスの相関に関して報告する。