Speaker
知大 稲田
(東大宇宙線研)
Description
Cherenkov Telescope Array (CTA) 計画とは、大・中・小と口径が異なる 3 種類の解像型チェ レンコフ望 遠鏡群を用いて、現行の望遠鏡の約 10 倍の感度で 20GeV から 100TeV 以上に渡る広 いエネルギー範囲において超高エネルギーガンマ線の観測を目指す国際共同プロジェクトである。 CTA-Japan グループが研究開発を行っている大口径望遠鏡は、CTA 計画全体で建設が予定され ている南北のサイトそれぞれに 4 台建設される予定である。望遠鏡の主鏡には、六角形の対辺が 1.51m の分割鏡を 1 台あたり約 200 枚使用する。分割鏡性能は望遠鏡の感度、エネルギー分解能 等に大きく影響を与える。そのため分割鏡の重要な性能である結像性能、曲率半径を評価する必要がある。評価基準として分割鏡には仕様要求が定められており、最も重要である結像性能は、焦点距離 f(28m から 29.2m) において光量の 80% が収まるスポット直径 (D80) が 16.6mm 以下で あることが求められる。結像性能、曲率半径の評価には 2f 法と呼ばれる方法を用いている。2f 法 とは焦点距離の 2 倍の位置に光源となる LED とスクリーンを置き、反射像をカメラで撮影し解析 することでスポットサイズを求める方法であり、東京大学宇宙線研究所に実験装置を設置してい る。本講演では、望遠鏡に搭載予定である分割鏡の性能評価測定を2f 実験装置で行った結果につ いてと測定で得られた光学パラメータを反映させて行うシミュレーションによる望遠鏡への分割鏡最適化配置の考察結果について報告する。