Speaker
悠一朗 朝倉
(名古屋大学)
Description
2015年9月、2台のadvanced LIGOが稼働するO1(2015年9月~2016年1月)が始まり、初の重力波直接検出を果たした。重力波の検出に際して、MOA(Microlensing Observation Astrophysics)グループではニュージーランドMt. John天文台にある口径1.8m, 視野2.2平方度の広視野MOA-II望遠鏡及び口径60cm, 視野30平方分の3色同時撮影可能なB&C望遠鏡を用いて重力波のフォローアップ観測を行った。重力波天体の物理の解明には、光学フォローアップを行うことが必要不可欠だが、重力波検出器から得られる重力波天体の位置決定精度は数百平方度ととても悪く、分光などの詳細な観測を行うためには、まず重力波天体を特定しなければならない。また電磁波放射の時間も限られているため早急に観測を行うことが必要になる。そこで我々は重力波検出後に送信される重力波アラートを受け取り即時にサーベイ観測を行い、重力波天体の同定を行うフォローアップシステムを開発した。O1では位置誤差領域にある近傍銀河(~100Mpc)の観測やMOA-II望遠鏡による広視野サーベイを行い、可視光カタログなどの既存のデータとの比較により重力波天体の探索を行った。本公演ではフォローアップシステムの概要と整備状況、及びO1におけるフォローアップ観測の結果を報告する。